松浦総合研究所

奇妙な記述てんこ盛りの東大博士論文を執筆した人は奇妙だし、その奇妙な東大博士論文を審査し合格させた審査委員主査の東大教員も奇妙だし、その奇妙な東大博士論文を放置し続けている東大も、これまた奇妙。世の中奇妙なことだらけ。松浦晋二郎。東京大学文学部社会学科卒業。同志社大学法科大学院卒業。法務博士号取得。行政書士試験合格。連絡先:ivishfk31@gmail.com

2019-01-01から1年間の記事一覧

千田有紀著・博士論文「『家』のメタ社会学」を読む(27)森岡清美には「単線的な歴史の進行をはばむ文化的な要因が社会にあるという信念」があった?130頁

千田有紀は博士論文130頁において森岡清美の家族社会学について次のように書いています: 欧米、特にアメリカこそが普遍であり、その地にみられる核家族や友愛家族が普遍であるとの欧米を普遍とする近代観によって、日本は、より「日本的典型」を持った特殊な…

千田有紀著・博士論文「『家』のメタ社会学」を読む(26)1963年の時点で森岡清美は「夫婦家族の普遍性」を主張した?128頁

千田有紀は博士論文128頁で次のように書いています: 我が国では、民法改正を強力なてことして、直系家族制度から夫婦家族制度へと変動しつつある。してみれば、夫婦家族制度への変化は、社会体制の差に拘らず早晩出現するところの、人類史的な展開を示すも…

千田有紀著・博士論文「『家』のメタ社会学」を読む(25)「核家族」と「近代家族」の関連を述べたのは「千田有紀」じゃない!「山室周平」だ!!(132頁)

《本記事の問題意識》 千田有紀は博士論文注71において「山室周平」の記述を、「山室周平」の記述である旨明記せずに書くことによって、あたかも千田有紀のオリジナルの記述であるかのように書いている。 千田の行った当該行為は学術の世界では何と呼ばれる…

千田有紀著・博士論文「『家』のメタ社会学」を読む(24)「核家族が正当化され、したがって望ましいとされる」、「人はうしろめたい思いなしに核家族を形成し、かつその形態を維持することができる」(森岡[1976])はどこに書いてある??

千田有紀は博士論文の中で次のように書いています: ◎千田博士論文133頁: ここに、マードックの核家族論が日本で広く受け入れられた歴史的な理由を垣間見ることができるだろう。つまり、家族の民主化という課題ゆえに、核家族という形態が、「夫婦を中心とし…

千田有紀著・博士論文「『家』のメタ社会学」を読む(23)「6-1-2家族変動の要因」(125頁~)千田の森岡清美「典型」引用部分に対応する森岡の文献が千田参考文献リスト中に存在しない!

千田有紀は博士論文において次のように書いています: 森岡によれば、典型とは「類型の下位概念であり、特定の文化的内容を持ったもの」(森岡[1967b:26])であるという。しかし「日本的典型」の内容やその起源は何も問われていない。(千田博士論文、125頁。…

千田有紀著・博士論文「『家』のメタ社会学」を読む(21)「6-1-3森岡清美の家族変動論の変遷」(128-131頁)【4】森岡清美は「1975年」へ「変更」した?

千田有紀は博士論文の中で、森岡家族社会学の現代家族の出現時期について次のように書いています: 森岡は自分の家族変動論理論のなかで、「家」から「家族」への移行の時期を、1945年から1960年へ、そして1975年へと二回変更している。(千田博士論文122頁) …

千田有紀著・博士論文「『家』のメタ社会学」を読む(20)「6-1-3森岡清美の家族変動論の変遷」(128-131頁)【3】森岡清美の「信念」?「トーン・ダウン」?

1 千田有紀は博士論文「6-1-3森岡清美の家族変動論の変遷」において森岡清美の家族変動論に関して1963年から1967年、そして1973年の間に、森岡には、直系家族制から夫婦家族制への家族変動の信念に対するトーン・ダウンが起こっている、との趣旨で次のよう…

千田有紀著・博士論文「『家』のメタ社会学」を読む(19)「6-1-3森岡清美の家族変動論の変遷」(128-131頁)【2】、森岡論文中に存在しない千田の森岡引用部分

千田博士論文130頁には次の記述があります: 《千田による森岡清美の引用部分》 上記引用部分には最終個所に[森岡1976a:18]と書かれています。 [森岡1976a:18]とは、上記引用部分は、千田が森岡清美の[1976a]という著書・論文の18頁から引用した引用部分であ…

千田有紀著・博士論文「『家』のメタ社会学」を読む(18)「6-1-3森岡清美の家族変動論の変遷」(128-131頁)【1】森岡清美は核家族の普遍性を前提としていた?

1 本稿では千田博士論文「6-1-3森岡の家族変動論の変遷」(128-131頁)を検討します。 2 千田博士論文129頁には森岡清美の家族変動論の変遷に関する説明として次の記述があります: 千田は森岡の説明図式が、 「日本的な家族である実体的な「家」から「現…

千田有紀著・博士論文「『家』のメタ社会学」を読む(29)社会学者の摩訶不思議な論理:それを全否定しても、反省しても、距離をとっても「逆説的に」それに規定される。

社会学の世界では、ある特定の社会Xや人物Xが、ある特定の思想Aや考え方Aを、全否定したり、反省したり、当該特定の思想Aや考え方Aから距離をとった場合、その行為によって、(1)当該特定の社会Xや人物Xは、逆説的に、当該特定の思想Aや考え方Aに規定さ…

渡邉恭子弁護士が日本共産党を痛烈批判:曖昧な構成要件が自由な国民活動への萎縮を招くという懸念は、内心の同意ひとつに刑法犯の構成をかからしめる、今回の件に当てはまる。数の横暴に理知で対抗する政党だと認識していたので、非常に残念。<強制性交等罪改正運動>

(注:強制性交等罪は現在では不同意交等罪に改正されています) 丘の上ながの法律事務所の渡邉恭子弁護士が日本共産党の強制性交等罪改正運動を批判されました。 渡邉弁護士が批判しているのは日本共産党の参議院選挙公約中「強制性交等罪の『暴行・脅迫要…

千田有紀著・博士論文「『家』のメタ社会学」を読む(17) 戦前の日本の「家」研究において、「家」というものが、制度、特に法制度と同一視された??千田博士論文117頁

千田有紀は博士論文において次のように書いています: ここで、戦前の日本の「家」研究と戦後の家族研究に、ひとつの断絶が生じているのを見るのは、容易である。つまり、「家」というものが、制度、特に法制度と同一視されたため、戦後はそれが消滅したとい…

千田有紀著・博士論文「『家』のメタ社会学」を読む(16)ここまでのまとめ

1 これまで千田有紀著博士論文「『家』のメタ社会学」について記事を書いてきましたが、ここまでのまとめをしておきたいと思います。 2 千田博士論文「審査要旨」では、千田は、 従来の「家」対「家族」という二項対立的な問題構成それ自体を、疑似問題と…

千田有紀著・博士論文「『家』のメタ社会学」を読む(15) 西川祐子の「家」制度は、農村の家族である?「都市の家族」が、「家庭」であり、「近代家族」に対応するのに対し、「農村の家族」は、「家」と捉えられている??千田博士論文154頁。

千田有紀は博士論文154頁以降、西川祐子氏の「家」について検討するにあたって次のように書いています(傍線部分): 次に西川の立論を検討しよう。西川は戦前を「家」/「家庭」の二重制度、そして戦後は「家庭」/「個人」の新二重制度と概念化する(西川[1…

千田有紀著・博士論文「『家』のメタ社会学」を読む(14)米村昭二が発見した小山隆「大家族」概念についての研究成果を無断利用し千田自身の研究成果として記述。千田博士論文118頁

米村昭二は論文『家族研究の動向』(社会学評論)(注1)33-34頁において小山隆の大家族制に関して次のように書いています: 大家族制についても「広く大家族とは、親子中心の家族であるが、ここに問題とする大家族とは、単に家長の直系尊卑属の結合だけで…