1 大阪大学島岡まな教授は常日頃からフランスの先進国性、日本の後進国性を主張しています。しかし島岡教授が私たちにフランスの先進国性、日本の後進国性を主張する場合、しばしば重要な事実を隠蔽する場合があります。
今回は島岡教授が強姦罪・強制性交等罪について隠蔽する不都合な事実についてお話します。
島岡まな教授が作成した下記フランス刑法の資料によると次のように書かれています:
http://www.moj.go.jp/content/001129662.pdf
2 上記資料と日本の刑法とを比較してみましょう。
まず、通常の強姦罪(強制性交等罪)だけを比較してみた場合、
日本の2017年改正後の刑法(強制性交等罪・177条)では
5年~20年以下(刑法12条1項)の懲役(注1)、
フランス刑法では
10年以上15年以下の懲役(上記資料参照)、
であり、
法定刑の上限は日本の刑法の方がフランス刑法よりもはるかに重いです。
しかしこの事実はフランスの先進国性、日本の後進国性、を主張したい島岡まな氏にとって不都合な事実なので島岡教授はツイッター上ではこの事実を書かずに、隠蔽します(注2)。
3 次に、上記資料によればフランスでは通常の強姦罪に加重される「加重事由」の中に「配偶者または内縁のパートナーにより実行された場合」が含まれると書かれています(上記資料の「加重事由」11)。
そしてフランスでは加重強姦罪は10年以上20年以下の懲役と書かれています。
ところが 島岡まな氏は以前から、
①日本の刑法はフランス刑法とは異なり夫婦間強姦を明文化していない点、
②日本の刑法はフランス刑法とは異なり夫婦間強姦を通常の強姦罪よりも重く処罰する加重事由として定めていない点、
以上の点で、日本はフランスよりも遅れていると主張してきました(下記注2)。
しかし
日本の2017年改正前の強姦罪・177条は
3年以上20年以下の懲役(刑法12条1項)、
日本の2017年改正後の強制性交等罪・177条は
5年~20年以下(刑法12条1項)の懲役(注1)
です。
つまり日本の強姦罪はもともと量刑の幅が広く、その上限はフランスの加重強姦罪と同じ「懲役20年」です。
ということは、たしかに日本の刑法はフランス刑法のように夫婦間強姦を加重事由として明文化して定めてはいないものの、日本の刑法の強姦、強制性交等罪は幅広い量刑の中に夫婦間強姦も含んで規定する形式になっている、ということです(ただし日本で実際に夫婦間強姦が処罰されるかどうかは別です)。
しかし、日本の刑法の強姦罪、強制性交等罪が幅広い量刑の中に夫婦間強姦も含んで規定する形式になっている、という上記事実は、フランスの先進国性、日本の後進国性、を主張したい島岡まな氏にとって不都合な事実なので島岡教授はツイッター上ではこの事実を書かずに、隠蔽します(注2)。
強姦、強制性交等罪の幅広い量刑の中に夫婦間強姦を含んで規定する形式の日本の刑法が、通常強姦罪と加重強姦罪を区別して明文化するフランス刑法よりも遅れた刑法なのかどうかは、必ずしも明らかではありません。
4 以上のように、島岡教授は、フランスの先進国性、日本の後進国性を主張するために、重要な事実を隠蔽することが、あります。
【注】
(注1)2017年改正後の刑法では強姦罪は強制性交等罪に改められ、5年以上20年以下の懲役とされました。
(注2)
島岡まな氏の刑法改正についての考え方の詳細は下記を参照のこと:
『性犯罪の保護法益及び刑法改正骨子への批判的考察』 島岡まな(大阪大学教授)慶應法学
http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AA1203413X-20170224-0019
【注意:本記事は私の個人的意見・見解を述べたに過ぎず特定個人に関して断定的・否定的評価を下すものではありません。人によって物の見方・感じ方はさまざまです。また私は主に法律学を学びましたので、個人の尊重、男女の本質的平等、等の日本国憲法の基本理念の真の実現を心から願う者です。】