千田有紀は著書『ヒューマニティーズ 女性学/男性学』(岩波書店)の「はじめに」ⅵ頁からⅶ頁にかけて哲学者・廣松渉の発言を紹介したうえで当該発言を「典型的な誤謬(間違い)」と書いて廣松を批判しています。
しかし同書では、廣松が当該発言を行ったとされている出典が明示されていないので読者は廣松が本当に当該発言を行ったのかどうかについて事実関係の確認ができません。
千田は廣松発言の出典を明示すべきです。
学者ともあろう者が、出典を明示せずに、すでに故人となった高名な男性哲学者の発言を「典型的な誤謬(間違い)」と著書に書く行為はフェアではありません。
仮に同書で紹介されている廣松の発言を廣松が実際に行っていたとしても、同書で紹介されている廣松の発言部分が、廣松の行った発言のすべてであるのかは不明です。
本書で紹介されている廣松の発言以外に、廣松側からの反論や新たな主張などは、一切、存在しなかったのでしょうか?
疑問は尽きません。
千田は廣松発言の出典を明示すべきです。